私はAIに何を質問して小説を書いているのか?
「AIと共創するって、どんな状態なんですか?」
小説を書いていると、ときどきそんな質問をいただきます。
難しそうに見えるかもしれませんが、実はやっていることはとてもシンプル。
今日は、私が実際にどんな質問をして物語を書いているのかをお話しします。
特別な技術は必要ありません。
大切なのは、“上手に聞くこと”よりも、まず聞いてみることです。
まずは簡単な質問から始める
物語の世界を組み立てるとき、私はこんなふうにAIに問いかけます。
「魔界の王と、その王に守られる主人公がいます。
私は【~~】という設定を考えていますが、どう思いますか?」
あるいは、
「これから物語を1章ずつ渡します。
編集者の目線で、良いところや直した方がいいところを優しい言葉で教えてください」
最初から完璧な質問をしようとしなくて大丈夫。
思いついたことを、そのまま投げてみるだけで十分です。
AIは“正解を出す機械”というより、
思考を整理してくれる会話相手のような存在です。
大切なのは「答えをそのまま使わない」こと
ここはとても重要なポイント。
返ってきた答えを丸ごと採用することは、ほとんどありません。
使えそうな部分だけを保存し、
気になるところがあれば、さらに質問を重ねていきます。
AIは完成品をくれる存在ではなく、
発想のヒントを差し出してくれる存在。
選ぶのは、いつも自分です。
キャラクターに迷ったら、自分に問い返す
特にキャラクターについて考えるとき、私は必ずこう問い返します。
「これは本当にこのキャラらしい?」
違和感があれば採用しない。
しっくり来たものだけを残す。
この作業を繰り返していると、不思議なことが起きます。
AIに質問しているはずなのに、
いつの間にか自分の価値観のほうが浮かび上がってくるのです。
- このキャラは何を美しいと思うのか?
- なぜその選択をさせたいのか?
物語を書いているつもりが、
気づけば自分の内面まで見つめている。
AIとの創作は、少しだけ「自分の内側を覗く作業」に似ています。
質問するときは「自分の考え」も一緒に書く
もう一つおすすめしたいのが、
自分の仮説をセットで書くこと。
たとえばこんなふうに。
「このキャラはどうして外に出たの?
暇だったから? それとも外に出る理由があった?」
「どうして守るの?
過去に守られたことがある? それとも気まぐれ?」
「どんな出来事があれば、この判断をする?
トラウマ? 忘れられない記憶?」
自分の考えを書いておくだけで、
AIは思考の方向性を整理しやすくなり、見当違いな答えも減っていきます。
むしろ、きれいにまとめるよりも、
少し未整理なまま投げたほうが、良い対話になることも多いと感じています。
小さな違和感を埋めると、手が止まらなくなる
誰かと会話するように、細かな違和感を一つずつ埋めていく。
それを繰り返しているうちに、不思議とキーボードを打つ手に迷いがなくなります。
「次に何を書こう?」ではなく、
「この続きを早く書きたい」と思える状態になる。
私は、そんなふうに物語を書いてきました。
そして今も、新しい小説を立ち上げている最中です。
AIは創作を奪わない。むしろ広げてくれる。
AIに頼ると、自分で考えられなくなるのでは?
そう思う方もいるかもしれません。
でも実際は逆でした。
質問すればするほど、
私は「何を書きたいのか」を深く考えるようになったのです。
AIは創作を奪う存在ではありません。
まだ言葉になっていない物語を、一緒に掘り起こしてくれる存在です。
だから今日も私は、ひとつ問いを投げます。
次はどんな物語が見つかるだろう——と。
もし少しでも気になったなら、
ぜひ一度、AIに話しかけてみてください。
難しく考えなくて大丈夫。
創作は、たった一つの質問から始まります。
